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3年ぶりのエクマットラハンディクラフト工房ピクニックを終えて、色々と思うことがありました。
まずは何より、女性たちと仕事を離れて時間を過ごせたこと。
普段工房で働く彼女たちと会う時は、私がダッカから赴いてものすごい勢いで仕事をしなければならない時が多く、ゆっくり個人的な話や雑談をする余裕も最近はあまりありませんでした。
もちろん必要な話はするし、困っていることの相談にものるし、仕事の間は仕事のことをずっと話しているのですが
人生において、人と人との心の距離を縮めるのは、仕事の話ではなくやはり
「たわいもない話」
なのではないかと思います。
このひとこんな風に考えているんだ、と意外な発見があったり、
ポロリと本音や素顔が見えて、親近感がわいたり。
特に自分は品質管理という大きな責任があり、褒めることよりも叱らなければならないことの方が多い立場なので、仕事を離れてみんなとのびのび過ごせる時間というのは本当に嬉しかったですし、女性たちにとってもこのピクニックは、理由がないと出られない自分の「家」や「村」から飛び出て、いつもとは違う世界を満喫できる貴重な機会でもあります。
仕事や育児から離れ、見たことのない景色、初めての土地や人に触れる時間。
それを本当に楽しみにしてくれているのが伝わり、私も嬉しくなりました。
そして、ビリシリのYWCAへ向かう途中、赤と白に塗られた橋があったのですが、みんなが
「ジャパン!ジャパンがあるよ!!」
と言って拍手をしてくれて…
赤と白=日本、とみんなが認識してくれていて、しかも自分のことのように手を叩いて喜んでくれている姿に、なんだかじ~んとしてしまいました。
そして向かったインディアンマーケット。
ここは、国境を越えてインドの商品が入ってくる地域。
バングラデシュでは手に入らないものが買えるということで、「絶対にお買い物したい!!」とみんな意気込んでおりました。
どこの国でも、女性がお買い物好きで新しいものにときめくのは一緒です。
ここでの嬉しかったことは、女性たちが子どものため、そして自分のために楽しんでお買い物をしていたこと。
少し前に、キラキラペンの大型オーダーの納品を終え、ボーナスをもらった女性たち。
それぞれがお店を巡りながら、自ら選び、購入している姿に、これまたじ~んとしてしまいました。
工房を始めたばかりの時に、
「自分のものなんてもう何年も買えていない」
「おかずすら選べない」
と言っていた彼女たちを知っているから。
当たり前の光景だけど、彼女たちが努力して掴んだ光景でもある。
お買い物を楽しんでいる姿は、働く彼女たちのもう一つの象徴のように思えて、とても嬉しかったのです。
私たちの目的はただ雇用を作ることではなく、「彼女たちの人生が幸せになること」。
その目的を忘れずに、これからも彼女たちと共に人生を分け合い歩んでいきたいと思います。

